[9月17日(月曜祭日)] 2007史跡コンサート
これまで金沢浪漫紀行実行委員会と金沢芸術創造財団が運営していた史跡コンサートも一区切りつき、今年から金沢芸術創造財団が単独で行うこととなりました。
尾張町も、若手会の松本新会長のもと、協力してコンサートの実施に向けて頑張りました。
観客の皆さんには見えないところで、会場設営をするのは、こうした尾張町を愛する次代の若者たちがあってこそのことを忘れてはなりません。
今年は、橋浦真紀さんのソプラノと、長野良子さんのピアノ演奏です。
早々と町民文化館に来られたお二人は、本番前の調整に余念がありません。
ピアノの音量、声の効率的な反響はどの位置なのか、センチメートル単位で立って歌う位置やピアノ用スピーカーの配置を決めるプロ意識には、見ていて頭の下がる思いでした。今日の演奏の素晴らしさが、もう、そこから感じられるようでした。
新しい節目の出発の気持ちを込め、司会は長年勤めていた専務理事が勤めさせてもらいました。
そして、高橋理事長の歓迎の挨拶。
最初は、私たちにも馴染み深い日本の歌が続き、徐々にソプラノの声色とピアノの音色の綾なす音楽のさざ波の繰り返しに引き込まれるよう.....
いつしか曲目はクラシック音楽のオペラになって来たのに、違和感というか難しいとかいう感じはなく
むしろ安心して聞くことに、自分の身をゆだねられて行く心地よさを味わうとでもいうのでしょうか。
これはもう、いわゆる世の中に安直にあふれている「音」ではなく、人間の感性に訴えかけてくる「音楽」という次元にまで高まる違いを自然に満喫させられているのだと思います。
舞台側から観客席を見ても、演奏者と観客が一体になって、「音楽の時間」を共有している
残暑の厳しい暑さにも関わらず、団扇であおぐことすらも、しばし忘れてしまうほどの空気が会場一杯に溢れるようでした。
休憩を挟んでの後半は、オペラ「蝶々夫人」を意識して着物姿で登場され
たちまち、心はピンカートンとの報われない恋の世界に、引きずり込まれに行くことに、曲のストーリーとは裏腹に、音楽の楽しさを覚えさせられる一時でした。
終わってみれば、名残惜しさの残る演奏に、敬老の日の良い思い出とさせてもらいました。